5人に1人!?エナメル質形成不全
2024.7.3
皆さん、おはようございます☼
今日はエナメル質形成不全をテーマにしたいと思います。先日もエナメル質形成不全で知覚過敏(しみる)の症状があるお子さんが来院されました。その時に、保護者の方から「今まで歯科医院でそんなこと言われたことはなかった」と、そんなお言葉がでたので、皆さんにもこのエナメル質形成不全について知っていただきたいと思いました。
エナメル質は、皆さん聞いたことはあるでしょうか?
歯の一番外側で表面を覆っている部分です。いわゆる、見た目でわかる白い「歯」の部分です。
基本的には、歯はエナメル質で覆われてます。エナメル質は体の中でも最も硬く水晶と同じぐらいな硬さです。(たまに硬いおせんべいなどで欠けてくる方もいらっしゃいますが💦笑)
エナメル質の大切な役割は、歯の神経を様々な刺激から守っていることです!そんな重要な役割を担っているエナメル質がうまく作られないことをエナメル質形成不全といいます🦷
原因は、遺伝性と非遺伝性な要因が考えられます。
遺伝性のエナメル質形成不全症は、全体からみると患者さんの数は非常に少ない疾患です。
非遺伝性のエナメル質形成不全は私たちも目にすることが多く、全身的/局所的要因で分かれます。
全身的要因:胎児期(母親の妊娠期)に何らかの全身的な障害(母体の栄養障害や病気、内分泌異常や感染症、ビタミン不足など)が考えられます。
局所的要因:子どもの歯(乳歯)の外傷や、むし歯を放置していて長いこと化膿している状態が続く根尖性歯周炎などが考えられます。また、原因がはっきりしないことも珍しくありません。
全身的要因によるエナメル質形成不全では、複数の歯に左右対称に現れることが多いです。
局所的要因では、多くの場合は1~2本の歯に限局し左右非対称にみられます。
自覚症状は、見た目でもわかる歯の変色(黄色、ミルクティー色)や、歯が欠ける、知覚過敏(しみる)などがあります。
最初は変色のみが認められる歯でも、放置すると歯の形が崩れてくる場合があるので、長期管理が必要です😖
近年では、第一大臼歯切歯限局型エナメル質形成不全(MIH)を見かけることが多くなりました。
6歳頃に生えてくる6歳臼歯と、大体同じぐらいの時期に生えてくる前歯で見られる疾患です。
症状の重症度は上下左右対称ではなく、少しの変色の軽症も含めると20~25%を占めます。
エナメル質形成不全の有病率は日本で19.8%、5人に1人と言われています。
つまり、珍しくない疾患と言えます。
治療方針も様々ですが、子どものうちはお口の中の成長に合わせてタイミングをみながらの治療が必要になるので長期戦になることを、保護者の方にもお伝えするようにしています。
そして、エナメル質形成不全はエナメル質が脆く、むし歯になったら進行を早めてしまいます。
予防法としては、
①フッ化物を応用する 歯科医院での高濃度フッ素塗布が大切です
②定期的な検診で診ていく 3カ月に一度は検診でチェックをします 写真でも変化を追って見ます
③適切なブラシ、歯磨き粉でケアをする 小さめブラシでピンポイントのケアを、研磨剤は形成不全の歯にダメージを与えてしまうので優しいものを使用します
とにもかくにも、お子さんの大切な歯なので、
早めに見つけて、早めに予防・処置をしていくことが大切です🦷
気になることがあれば、お気軽にご相談ください🤗